香港の動乱がバイデン次期大統領の試金石になるかもしれない

稲作ゲームをやっているイザークです。

コイツについては別途。

 

さて、今回の話は投稿時点でいくつか不確定な前提がもとになっています。

まずは不確定な前提の共有から。

ジョー・バイデン氏は2021年にアメリカ大統領に就任する

・2020年に行われたアメリカ大統領・上院議員・下院議員・知事選挙において、民主党の選挙資金には多額のチャイナマネーが流れていた

・バイデン氏自体は、自らの勝利がチャイナマネーによる選挙資金の結果であるとういう認識はなく、「人権」「環境」「平等」の訴えによるものだと信じている。

 

今回の話は、これら砂粒の尖塔のうえに建てられた思考実験ということをお知り置きください。

 

さて、香港です。

いま、香港では北京政府による住民弾圧が絶賛(だれが?)ロングラン進行中です。

最近の話題だと、日本語を流暢に使いこなす美人オタ民主化活動家の周庭さんが禁固10カ月になりましたね。

武装警察が催涙弾を水平方向に発射するなどなかなかアレな感じですが、それでもチベットとかウイグルとかに比べれば「その程度で済んでいる」というところが、さすがの中共も海外の目を気にしなければならない香港という土地の特殊性でしょう。

 

ココからが本題です。

ジョー・バイデンアメリカ大統領は、香港民主化運動勢力が『人権』というキーワードをもとに助けを求めた場合、香港に介入できるのか?」です。

 

アメリカ大衆は、か弱くて庇護欲を掻き立てるモノが大好きです。

周庭さんは日本にいた経験もあり、日本語での情報発信もしていますが、似たような人が英語でアメリカリベラル層向けに窮地をネットで訴えたらどうなるでしょうか?

というか、周庭さんがやった手法は本来は「アメリカ向け」で刺さるものであり、同じことを日本向けにやって、日本では刺さらなかったところに戦略ミスがあるのではないでしょうか。個人の「誰に助けてほしい」は抜きとして飽くまで効果を追求したとして。

日本では日本語ができる周庭さんがクローズアップされてますが、たぶんアメリカ向けとかイギリス向けに似たような偶像(アイドル)がいるのではないかとおもいます。よく知らんけど。

 

で、アメリカ人が好きそうな「自由と民主主義と人権のために必死に頑張ってるんだけど政府に抑圧されている少女」という偶像を突き付けられてアメリカ世論が「頭がフットーしそうだよ」となったとき、バイデンはどうするのでしょうか?

バイデン氏個人は、たぶん「フットーしそうだよ」になるとおもいます。むしろ急先鋒なんじゃないでしょうか。

 

それに対して、中共は「バイデンは、わしが育てた」と思っています。そのため、バイデン氏は中共の言うことを聞かざるを得ず、中共がちょっと国内の反乱分子を弾圧したところで、強い姿勢を取ることができないと踏んでいます。

 

ただ、このチャイナマネーに本当に生殺与奪を握られているのは、バイデン大統領ではなく下院議員や上院議員などの議員ではないでしょうか。大統領選に立候補できるような大物は、大統領選に負けても一門の人物ですが、議会の議員はさてどうでしょう?

 

つまり、バイデン氏やアメリカ大衆がいかに「頭がフットーしそうだよ!」となっても、中共に金玉(選挙資金という実弾)握られている議会議員は、議会の独立を盾に大統領の方針にNoを突き付けることができるのではないでしょうか。

 

これを中共側の視点でまとめるとこんなところでしょう

・バイデンはわしが育てた(恩義あるよね)

・選挙の辛さとお金の大事さは大統領よりも議会議員のほうが身に染みてるよね(大統領個人の感情はともかく議会を抑えてるよ)

こうして、アメリカ合衆国の頭(大統領)と手足(議会)を縛ったと思っている中共は、香港にこれまで以上に苛烈な弾圧をおこなうでしょう。

 

それに対し、香港民主化勢力は「人権派の大統領」という看板に対し、これまで以上にアプローチを掛けるのではないでしょうか。

何しろ、トランプ氏のような「ビジネス第一」ではなく、「人権という人類の理想」を看板に掲げているわけです。今まさに人権弾圧を受けている香港民主化勢力は、「バイデン氏は仲間だ」と思うでしょう。

 

このように、「敵の頭と手足を縛ったので自由に動ける」と思っている中共は香港の弾圧を強めるでしょうし、「人権という御旗を無視できないだろう」と思っている民主化勢力はますますアプローチを強めていくでしょう。

そのため、香港をめぐる情勢は、ますます激化をたどるのではないかとイザークは見ています。

 

これに対し、バイデン氏はどう動くか?たぶん「話し合えば、わかってくれる」っていうルーピームーブをかますんじゃないでしょうかね。