オーガニックは非科学的?

どうも皆さんこんにちは、イザークです。

 

巷では「100%天然原料、だから安心」とかいうキャッチコピーが溢れています。

100%天然のトリカブトとか、100%天然のフグ毒(テトロドキシン)とか、100%天然のボツリヌス毒素とかは、安全ではないですが、このキャッチコピーにコロッと行く人には安心なのでしょう。

 

100%天然みたいな感じで使われるのが「オーガニック」です。

オーガニックというのは、有機物ということです。

有機物ということは、炭素を含む化合物ということです(炭酸塩、青酸塩は除く)。

 

でもちょっと待ってください、有機リン系の除草剤を使っても、有機塩素系の殺菌剤をつかっても、なぜか「有機農法」とは認められません。

 

おかしいですね、使っているものは間違いなく有機物つまりオーガニックなのに、なぜかオーガニックとは認められない。

これはどうしてでしょう?

 

その答えは、オーガニックとは、現在の自然科学の体系が出来上がる前の物質の分類体系に従うものです。

その体系では、物質を「生命を構成するもの、生命が宿るもの」と「生命でないものを構成するもの、生命が宿らないもの」の2つに分けています。

生命を構成する物質が「死ぬ」事により、生命が宿らないものになることはあっても、逆はあり得ないと考えられていました。

こういわれると「じゃあ生命が宿る物質はどんどん死んでいって、いずれ無くなってしまうのではないか」というツッコミがきそうですね。

それに対しては大丈夫、生命が宿る物質は、自ら生命が宿る物質を構成して生み出すことができる、つまりオーガナイズできる、と考えられていました。

 

もちろん、現在は生命を構成する物質も、そうでない物質も、結局は炭素・水素・酸素・窒素などの原子が組み合わさってできているものであるということが分かっています。

つまり、「オーガニック」という言葉は、現代の科学以前の学術体系の概念を引きずってる言葉であり、そのように見ると「非科学的」な言葉と言っていいでしょう。

 

なお、この現代の科学以前の、物質の変化や生成を対象とする学術体系をアルケミーといいます。日本語では「錬金術」という語が当てられているみたいですけど。