赤松氏ツイートに見られるプロパガンダ戦の情報発信
どうもみなさんこんにちは。
寒くなってきたのでアイコンそのままなスタイルのイザークです。
さて、まずは赤松氏のこのツイートをご覧ください。
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』大ヒットに加藤官房長官「テレビで過去の放映は見た」 『進撃の巨人』は「全巻通じて読んでいる」https://t.co/UaWKuQFcca
— 赤松 健 (@KenAkamatsu) 2020年10月20日
★最近の議員さん達は(与野党問わず)漫画アニメ好きが増えていて、表現規制しようなんて考えの人は減っている。今後もこの傾向は加速する。
では問題です。このツイートにおける赤松の主張として正しいものは次のうちどれでしょう。
1.「鬼滅の刃」は加藤官房長官が絶賛するほど素晴らしい作品だ。
2.「鬼滅の刃」が素晴らしい作品だったので加藤官房長官は表現規制を行うべきという考えを変えた。
3.「鬼滅の刃」の人気に加藤官房長官が便乗しようとしており、今後その流れは加速する。
4.党派性を超えた流れとして、漫画やアニメが好きだという議員の増加と、表現規制を推進しようという議員の衰退が起こっている。
5.党派性を超えた流れとして、「鬼滅の刃」が素晴らしい作品であると認められており、今後もこの流れは加速する。
正解を発表する前に、このツイートのコメントを追ってみてください。
いくつかのコメントからは、
・その人が「鬼滅の刃」を見ているということを公言したこと
・赤松氏はそれを好意的に評価した(とコメント主は思っている)こと
・それに対し、赤松氏に対し「チョロい」「失望した」とコメントしていること
ということが読み取れます。
どうもこのようなコメントをしている人は、先の問題で言うところの2を正解と思い、それに対して自分の感情を述べているようです。
しかし、赤松氏の発言の主旨は、本人のツイートの★以降の部分です。
これに対応し、余計な要素(マチガイ)が無い、つまり正解は4ですね。
さて、ここからがプロパガンダ戦の話です。
赤松氏の言う「最近の議員さんたち」に、加藤官房長官が含まれているという保証はありません。この発言だけでは、加藤官房長官という個人は、「最近の議員さんたち」に含まれるとも含まれないとも言えません。
しかし不思議と「チョロい」という発言をしている人は、加藤官房長官は「最近の議員さんたち」に含まれると赤松氏は考えている、と理解しているようです。
そんな保障どこにもないのに。
むしろ、表現規制反対の前線に立っている赤松氏が加藤官房長官の過去のスタンスを知らないわけでないと考えると、加藤官房長官は「最近の議員さんたち」に含まれないと考えた方がよいでしょう。
そして「最近の議員さんたち」に含まれない、「表現規制をしようと考えている」ような議員は「減っていっている」と言っているのです。
つまり、「(今更鬼滅の刃云々言ったって)お前ら表現規制派は今後どんどん衰退していくんだよ」というメッセージなわけですね。
いやあ、チョロいなんてもんじゃないです。
明確にそうと言わず、わかる人にはわかるメッセージをこれだけ短い文で発信するとは流石です。
しかも、写真が大写しになるニュースへのコメントツイートで、というところがまたニクイ。
多くの脊髄反射系ツイートは「すわ赤松篭絡されたか!」と思うわけですが、そんな脊髄反射ツイートするような人たちは影響力皆無です。そもそもこのツイートの対象読者ではありません。ハッキリ言います、観客ですらない。だからテキトーに誤解でも何でもさせとけばいいのです。
と、このように、赤松氏のツイートから、
・その発言で言っていることは何か?
・その発言は誰に向けられたものか?
・その発言を受け取ったものはどう反応するか?
・発言と反応を照らし合わせて、発言で言っていないことは何か?
など、プロパガンダ戦をやっている人の情報発信と、それを受け取る心構えがみえてくるね、というお話でした。
なお、ロジックの組み立ての話として、「漫画やアニメが好き」ということと「表現規制に反対」ということは、二律背反ではありません。
常識的に考えると、「漫画やアニメが好きだし、今までもこれからも色々な作品を楽しみたいから、創作や過去作の足枷にしかならない表現規制はイヤ!」というのは一つの意見でしょう。
しかし、「漫画やアニメが好き」かつ「表現規制に賛成」も可能性としてはあり得ます。また、個人としては「漫画やアニメが好き」でも、所属組織のポジションとして「表現規制を推進する」という場合もあり得ます。
赤松氏のツイートで気になったところは「それ、別のものを同じように扱っていいの?」というところです。